高まる愛の中 ドラマ。 『逃げ恥』『愛の不時着』…コロナ禍でラブストーリーへの枯渇感 いつの時代も愛される普遍的な恋愛物語に高まるニーズ

愛の不時着、梨泰院クラス‥Netflix 最大の恩恵を受けた韓国ドラマが再びブーム

高まる愛の中 ドラマ

コロナ禍で『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)や『 』(同系)などの再放送や、Netflixで配信中の韓国ドラマ『愛の不時着』など、ラブストーリーが好評を得ている。 近年のドラマシーンでは、シリアスな社会派ドラマが乱立する流れがあったが、コロナ禍における漠然とした不安や人と会えないことによる寂しさ、人恋しさなどから、ラブストーリーの需要が高まっているようだ。 今でこそ重厚な社会派ドラマ枠として定着しているTBS日曜劇場でも、2000年代初頭までは、 と による『ビューティフルライフ』(2000年)を始め、 と の『Love Story』(2001年)、妻夫木聡と柴咲コウの『オレンジデイズ』(2004年)など、ラブストーリーを続々と送りだしていた。 その後、ネット文化やSNSを主軸したコミュニケーションの浸透など社会生活の変化や時代のトレンドと共にドラマへのニーズも遷り変る。 『相棒』や『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)などの人気シリーズも多く生まれた。 TBS日曜劇場でも『半沢直樹』や『下町ロケット』などの社会派の名作ドラマがヒットした。 ここ数年では、『アンナチュラル』(TBS系)のように1話完結の物語と、そのなかに伏線が張り巡らされる縦軸のストーリーがつながる構造のドラマが増えていく傾向があり、今年1月期は医療ドラマが6本と大渋滞。 観たいという視聴者は多いのに、テレビ界がそれを掘り起こしていない気がします。 ただ、恋愛ものは、書く人も撮る人も演じる人も照れるので、気恥ずかしくてやらない側面もある」(2019年2月4日/ORICON NEWSより)と社会派ドラマが全盛のなか、ラブストーリーへのニーズを説いていた。 昨今は、テレビ局側の意識として、現代をリアルに映す社会派の人間ドラマなどが、視聴率を問わず意義のあるチャレンジとして捉えられるのに対して、ラブストーリーが安直な企画のように軽く見られる側面があることも否めない。 『おっさんずラブ』を手がけたテレビ朝日の貴島彩理プロデューサーは、「おもしろい恋愛ドラマもたくさん作られていて、一時期、1話完結の刑事ものや医療ものが多く放送されていた頃もあった気がしますが、視聴ツールが増えたからなのか、次の展開をドキドキして待ち遠しくなる連続ドラマが、また増えてきている」(2019年3月1日/ORICON NEWSより)と昨今のシーンについて語る。 恋愛ドラマへの制作側の意識についても、一時期の社会派偏重から「空気が変わったようにも思う」とし、ラブストーリー最盛期の復興への期待を込めている。 とくに『逃げ恥』は、3週連続で視聴率10%を超え、Twitterでは2週連続でトレンド世界一に浮上。 視聴者を魅了するその恋物語は、時を経ても色褪せることなく、心に潤いと生きる糧のようなチカラを与えているようだ。 前述の大石静氏は「そもそもドラマは、今を生きている私たちが現代劇を作るわけですから、時代性が反映されていないはずがない。 本来ドラマの使命は、普遍的な人間の心の奥底を描くこと。 人が人を愛する想いなどは普遍的な感情です」(2019年2月4日/ORICON NEWSより)と、名作恋愛ドラマがいつの時代でも人々の心に刺さる理由を語っている。 三密となるドラマ撮影の続行が不可能となった緊急事態宣言中には、リモート撮影による意欲的なドラマもいくつか放送された。 NHK総合では『Living』や『今だから、新作ドラマ作ってみました』、『ホーム・ノット・アローン』。 テレビ朝日は『家政夫のミタゾノ 特別編 〜今だから、新作つくらせて頂きました〜』など、どれも打ち合わせやリハーサル、本番収録も、直接会わずに実施する、これまでとは異なる手法で制作された。 そこからは、1話あたりの尺は数分〜15分ほどとなるリモートドラマの新たなスタイルのフォーマットや、リモート撮影によるドラマへの視聴者側の慣れも生まれ始めている。 遠距離恋愛や離れて住む家族や友人とのシチュエーションでは、リモートシーンが一般化することも予想される。 また、合コンなど男女の出会いもリモートが当たり前になり、そこからの恋愛への発展も対面なしが増えていくことも考えられる。 従来の枠にとらわれることのない新たなクリエイティブが続々と生まれようとしており、これまででは想像もできなかった突拍子もないシチュエーションも生まれていく。 コロナ禍を経たドラマシーンの新たな時代の到来に、多くのドラマファンは期待を寄せていることだろう。 さまざまな困難を乗り越えて、ひたむきに愛する人のことを思う登場人物を視聴者は応援したくなるもの。 登場人物たちに共感し、物語に没頭していくうちに、いつしか自分ごとのように感じ、さまざまな感情を揺り動かされる。 それこそが恋愛ドラマのおもしろさであり、醍醐味だろう。 また、現実社会にはどんなにがんばっても報われないことも多いからこそ、ドラマのなかでは、夢を見たい気持ちがある。 貴島氏は「がんばっている人に報われてほしいというピュアな気持ちが今の時代にはある」と言うが、人々の心を温かく満たしてくれる恋愛ドラマには、コロナ後のこれからの時代により強く求められる要素がある。 現在、新型コロナウイルス感染の「第2波」への危機感もあり、未だ安心できない状況が続いている。 こうした状況下において、心の充足を求める多くの視聴者の間でラブストーリーへの枯渇感が広がり、そのニーズがより高まっていくことが予想される。 リモート撮影という新たなドラマ制作手段を手に入れたいま、これまでとは異なるフォーマットの恋愛ドラマが、テレビ界をけん引していくことが期待される。 (文/武井保之) ().

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新川優愛&桜井日奈子が「今日から俺は!!」SPドラマに女子大生役で出演

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コロナ禍で『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)や『凪のお暇』(同系)などの再放送や、Netflixで配信中の韓国ドラマ『愛の不時着』など、ラブストーリーが好評を得ている。 近年のドラマシーンでは、シリアスな社会派ドラマが乱立する流れがあったが、コロナ禍における漠然とした不安や人と会えないことによる寂しさ、人恋しさなどから、ラブストーリーの需要が高まっているようだ。 今でこそ重厚な社会派ドラマ枠として定着しているTBS日曜劇場でも、2000年代初頭までは、木村拓哉と常盤貴子による『ビューティフルライフ』(2000年)を始め、中山美穂と豊川悦司の『Love Story』(2001年)、妻夫木聡と柴咲コウの『オレンジデイズ』(2004年)など、ラブストーリーを続々と送りだしていた。 その後、ネット文化やSNSを主軸したコミュニケーションの浸透など社会生活の変化や時代のトレンドと共にドラマへのニーズも遷り変る。 『相棒』や『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)などの人気シリーズも多く生まれた。 TBS日曜劇場でも『半沢直樹』や『下町ロケット』などの社会派の名作ドラマがヒットした。 ここ数年では、『アンナチュラル』(TBS系)のように1話完結の物語と、そのなかに伏線が張り巡らされる縦軸のストーリーがつながる構造のドラマが増えていく傾向があり、今年1月期は医療ドラマが6本と大渋滞。 観たいという視聴者は多いのに、テレビ界がそれを掘り起こしていない気がします。 ただ、恋愛ものは、書く人も撮る人も演じる人も照れるので、気恥ずかしくてやらない側面もある」(2019年2月4日/ORICON NEWSより)と社会派ドラマが全盛のなか、ラブストーリーへのニーズを説いていた。 昨今は、テレビ局側の意識として、現代をリアルに映す社会派の人間ドラマなどが、視聴率を問わず意義のあるチャレンジとして捉えられるのに対して、ラブストーリーが安直な企画のように軽く見られる側面があることも否めない。 『おっさんずラブ』を手がけたテレビ朝日の貴島彩理プロデューサーは、「おもしろい恋愛ドラマもたくさん作られていて、一時期、1話完結の刑事ものや医療ものが多く放送されていた頃もあった気がしますが、視聴ツールが増えたからなのか、次の展開をドキドキして待ち遠しくなる連続ドラマが、また増えてきている」(2019年3月1日/ORICON NEWSより)と昨今のシーンについて語る。 恋愛ドラマへの制作側の意識についても、一時期の社会派偏重から「空気が変わったようにも思う」とし、ラブストーリー最盛期の復興への期待を込めている。 とくに『逃げ恥』は、3週連続で視聴率10%を超え、Twitterでは2週連続でトレンド世界一に浮上。 視聴者を魅了するその恋物語は、時を経ても色褪せることなく、心に潤いと生きる糧のようなチカラを与えているようだ。 前述の大石静氏は「そもそもドラマは、今を生きている私たちが現代劇を作るわけですから、時代性が反映されていないはずがない。 本来ドラマの使命は、普遍的な人間の心の奥底を描くこと。 人が人を愛する想いなどは普遍的な感情です」(2019年2月4日/ORICON NEWSより)と、名作恋愛ドラマがいつの時代でも人々の心に刺さる理由を語っている。 三密となるドラマ撮影の続行が不可能となった緊急事態宣言中には、リモート撮影による意欲的なドラマもいくつか放送された。 NHK総合では『Living』や『今だから、新作ドラマ作ってみました』、『ホーム・ノット・アローン』。 テレビ朝日は『家政夫のミタゾノ 特別編 ~今だから、新作つくらせて頂きました~』など、どれも打ち合わせやリハーサル、本番収録も、直接会わずに実施する、これまでとは異なる手法で制作された。 そこからは、1話あたりの尺は数分〜15分ほどとなるリモートドラマの新たなスタイルのフォーマットや、リモート撮影によるドラマへの視聴者側の慣れも生まれ始めている。 遠距離恋愛や離れて住む家族や友人とのシチュエーションでは、リモートシーンが一般化することも予想される。 また、合コンなど男女の出会いもリモートが当たり前になり、そこからの恋愛への発展も対面なしが増えていくことも考えられる。 従来の枠にとらわれることのない新たなクリエイティブが続々と生まれようとしており、これまででは想像もできなかった突拍子もないシチュエーションも生まれていく。 コロナ禍を経たドラマシーンの新たな時代の到来に、多くのドラマファンは期待を寄せていることだろう。 さまざまな困難を乗り越えて、ひたむきに愛する人のことを思う登場人物を視聴者は応援したくなるもの。 登場人物たちに共感し、物語に没頭していくうちに、いつしか自分ごとのように感じ、さまざまな感情を揺り動かされる。 それこそが恋愛ドラマのおもしろさであり、醍醐味だろう。 また、現実社会にはどんなにがんばっても報われないことも多いからこそ、ドラマのなかでは、夢を見たい気持ちがある。 貴島氏は「がんばっている人に報われてほしいというピュアな気持ちが今の時代にはある」と言うが、人々の心を温かく満たしてくれる恋愛ドラマには、コロナ後のこれからの時代により強く求められる要素がある。 現在、新型コロナウイルス感染の「第2波」への危機感もあり、未だ安心できない状況が続いている。 こうした状況下において、心の充足を求める多くの視聴者の間でラブストーリーへの枯渇感が広がり、そのニーズがより高まっていくことが予想される。 リモート撮影という新たなドラマ制作手段を手に入れたいま、これまでとは異なるフォーマットの恋愛ドラマが、テレビ界をけん引していくことが期待される。 (文/武井保之).

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コロナ禍で『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)や『凪のお暇』(同系)などの再放送や、Netflixで配信中の韓国ドラマ『愛の不時着』など、ラブストーリーが好評を得ている。 近年のドラマシーンでは、シリアスな社会派ドラマが乱立する流れがあったが、コロナ禍における漠然とした不安や人と会えないことによる寂しさ、人恋しさなどから、ラブストーリーの需要が高まっているようだ。 今でこそ重厚な社会派ドラマ枠として定着しているTBS日曜劇場でも、2000年代初頭までは、木村拓哉と常盤貴子による『ビューティフルライフ』(2000年)を始め、中山美穂と豊川悦司の『Love Story』(2001年)、妻夫木聡と柴咲コウの『オレンジデイズ』(2004年)など、ラブストーリーを続々と送りだしていた。 その後、ネット文化やSNSを主軸したコミュニケーションの浸透など社会生活の変化や時代のトレンドと共にドラマへのニーズも遷り変る。 『相棒』や『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)などの人気シリーズも多く生まれた。 TBS日曜劇場でも『半沢直樹』や『下町ロケット』などの社会派の名作ドラマがヒットした。 ここ数年では、『アンナチュラル』(TBS系)のように1話完結の物語と、そのなかに伏線が張り巡らされる縦軸のストーリーがつながる構造のドラマが増えていく傾向があり、今年1月期は医療ドラマが6本と大渋滞。 観たいという視聴者は多いのに、テレビ界がそれを掘り起こしていない気がします。 ただ、恋愛ものは、書く人も撮る人も演じる人も照れるので、気恥ずかしくてやらない側面もある」(2019年2月4日/ORICON NEWSより)と社会派ドラマが全盛のなか、ラブストーリーへのニーズを説いていた。 昨今は、テレビ局側の意識として、現代をリアルに映す社会派の人間ドラマなどが、視聴率を問わず意義のあるチャレンジとして捉えられるのに対して、ラブストーリーが安直な企画のように軽く見られる側面があることも否めない。 『おっさんずラブ』を手がけたテレビ朝日の貴島彩理プロデューサーは、「おもしろい恋愛ドラマもたくさん作られていて、一時期、1話完結の刑事ものや医療ものが多く放送されていた頃もあった気がしますが、視聴ツールが増えたからなのか、次の展開をドキドキして待ち遠しくなる連続ドラマが、また増えてきている」(2019年3月1日/ORICON NEWSより)と昨今のシーンについて語る。 恋愛ドラマへの制作側の意識についても、一時期の社会派偏重から「空気が変わったようにも思う」とし、ラブストーリー最盛期の復興への期待を込めている。 とくに『逃げ恥』は、3週連続で視聴率10%を超え、Twitterでは2週連続でトレンド世界一に浮上。 視聴者を魅了するその恋物語は、時を経ても色褪せることなく、心に潤いと生きる糧のようなチカラを与えているようだ。 前述の大石静氏は「そもそもドラマは、今を生きている私たちが現代劇を作るわけですから、時代性が反映されていないはずがない。 本来ドラマの使命は、普遍的な人間の心の奥底を描くこと。 人が人を愛する想いなどは普遍的な感情です」(2019年2月4日/ORICON NEWSより)と、名作恋愛ドラマがいつの時代でも人々の心に刺さる理由を語っている。 三密となるドラマ撮影の続行が不可能となった緊急事態宣言中には、リモート撮影による意欲的なドラマもいくつか放送された。 NHK総合では『Living』や『今だから、新作ドラマ作ってみました』、『ホーム・ノット・アローン』。 テレビ朝日は『家政夫のミタゾノ 特別編 ~今だから、新作つくらせて頂きました~』など、どれも打ち合わせやリハーサル、本番収録も、直接会わずに実施する、これまでとは異なる手法で制作された。 そこからは、1話あたりの尺は数分〜15分ほどとなるリモートドラマの新たなスタイルのフォーマットや、リモート撮影によるドラマへの視聴者側の慣れも生まれ始めている。 遠距離恋愛や離れて住む家族や友人とのシチュエーションでは、リモートシーンが一般化することも予想される。 また、合コンなど男女の出会いもリモートが当たり前になり、そこからの恋愛への発展も対面なしが増えていくことも考えられる。 従来の枠にとらわれることのない新たなクリエイティブが続々と生まれようとしており、これまででは想像もできなかった突拍子もないシチュエーションも生まれていく。 コロナ禍を経たドラマシーンの新たな時代の到来に、多くのドラマファンは期待を寄せていることだろう。 さまざまな困難を乗り越えて、ひたむきに愛する人のことを思う登場人物を視聴者は応援したくなるもの。 登場人物たちに共感し、物語に没頭していくうちに、いつしか自分ごとのように感じ、さまざまな感情を揺り動かされる。 それこそが恋愛ドラマのおもしろさであり、醍醐味だろう。 また、現実社会にはどんなにがんばっても報われないことも多いからこそ、ドラマのなかでは、夢を見たい気持ちがある。 貴島氏は「がんばっている人に報われてほしいというピュアな気持ちが今の時代にはある」と言うが、人々の心を温かく満たしてくれる恋愛ドラマには、コロナ後のこれからの時代により強く求められる要素がある。 現在、新型コロナウイルス感染の「第2波」への危機感もあり、未だ安心できない状況が続いている。 こうした状況下において、心の充足を求める多くの視聴者の間でラブストーリーへの枯渇感が広がり、そのニーズがより高まっていくことが予想される。 リモート撮影という新たなドラマ制作手段を手に入れたいま、これまでとは異なるフォーマットの恋愛ドラマが、テレビ界をけん引していくことが期待される。 (文/武井保之).

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